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全日本キック60kgトーナメント一回戦

 行って来ました全日本キックの「Kick Return」 トーナメント。

 詳しい結果や内容はスポナビとかを見てもらうのがいいと思いますが、結論からいうと、私の勝敗予想はほぼ全部外れました。
 でも、面白かったですね〜。何年に一回あるかないかの盛り上がった興行だったと思います。
 現場で見ていたことを感謝したくなってしまうような。

 実はバンタム級のタイトルマッチもあったのですが、それが前座扱い(?)ってのがすごいですね。内容は藤原あらし選手の一方的な完封勝ち。正直、ここまで差があるとは思ってませんでした。あらし選手強すぎ。

 で、トーナメントの第一試合。山本真弘選手vs大宮司進選手。私の予想は大宮司選手の勝利でした。理由は一発の攻撃力に勝ると思っていたから。
 結果は、山本選手がその一発の攻撃力を見せつけるように2RKO勝ち。出だしは大宮司選手のキレのあるミドルがヒットしていたのですが、1R後半から山本選手の右フックと左ストレートが顔面をとらえるようになり、2Rに入って大宮司選手の打ち終わりにきれいにフックからストレートをつないでダウンを奪取。ダメージの残る大宮司選手を最後はストレート→フック→ストレートで3回倒してKOでした。
 すみません。こんなパンチ力があるって知りませんでした。
 あと、近くに藤原会長が座っていたのですが、インターバルに右フックをかぶせて入れ、みたいなアドバイスを伝令使って伝えていたのですが、それがドンピシャではまっていたことにも感心しました。

 第2試合は石川直生選手vs村浜武洋選手。私の予想はヒジで切られない限り村浜選手だったのですが…。
 村浜選手にはかつてのスピードが全然ありませんでした。K-1MAXでやっていた頃のパンチ力もない。本来はMAXの70kgより今回の60kgの方がベストの体重に近く、スピードもパンチ力も発揮できるはずだったんですが…。
 自分と同じ歳で、かつての全盛期を知っている選手だけに、非常に寂しい気分になりました。まあ、石川選手も大昔アマチュアの頃にやっていたり(というかやられていたり)、仕事関係でもニアミスしたことがあったりで、勝手に応援していた選手なので、彼にがんばってもらいましょう。

 第3試合、前田尚紀選手vs梶原龍児選手。ボクシング出身の梶原選手のパンチが、ややディフェンスの甘い前田選手を早い段階でとらえると思っていたのですが…。
 まあ、そこまでの予想は間違っていませんでした。2Rには早くもカウンター気味の右がヒットして前田選手がダウン。しかし、そこから粘って、スリップ気味ではありますが、ダウンを奪い返します。そしてさらに梶原選手が左フックを当てて再び前田選手を倒す。そこまでで、やっと2Rが終了です。
 そこからの展開は本当に意地と意地、気持ちのぶつかり合いというか、身内の人が見ていたら心臓に悪いような打ち合いでした。前田選手は結構ローも当てて効いてもいたと思うのですが、途中からは取り憑かれたみたいにパンチで勝負に行きます。でも、ガードが甘いので要所要所で梶原選手のパンチもヒットする。お互いに自分のパンチが当たるもので、自らのダメージとかを省みずに打ちに行っちゃってます。
 会場は大盛り上がり。歓声と足を踏みならす音が後楽園に響きます。私も、いつの間にか声を出していたようで、終わったらノドが痛かったです。
 最後のラウンドまで続いた打ち合いは、最終的に前田選手が2回のダウンを奪ってKO勝ち。最後は左ミドルで梶原選手が前のめりに崩れ落ちてました。たぶん、自分の方が1回多くダウンを取ってるという思いを支えにしていたのが、1回めのスタンディングダウンを取られた時点で崩れてしまったんでしょうね。とはいっても、それまで立っていたのが不思議なぐらいのダメージ。試合後は救急車で病院に運ばれたようです。勝った前田選手もヤバいくらいのダメージだったとか。素晴らしい試合でしたけど、選手寿命は間違いなく縮まったでしょうね…。

 最後は大月晴明選手vsカノンスック・ウィラサクレック選手。この試合だけは、私も大月選手の勝利を予想していました。まあ、予想というより願望ですが。
 お互い重いパンチとローを武器にする選手だけに、序盤は静かなにらみ合いから、探るようなローの打ち合い。でも、そのローがヒットするとすごい音たててます。危険な武器を持つ2人。
 2Rに入って大月選手が仕掛けます。右のボディーを中心に重いパンチを連発。カノンスック選手も効いていたと思いますが、さすがに倒れない。ここで、力を込めたパンチをずいぶん連発してしまったことで、大月選手はだいぶスタミナをロスしてしまったようです。
 パンチを警戒してヒジを合わせるようになったカノンスック選手、3Rに入ると左のボディーストレートも使ってきます。スタミナ切れたところにもらうときつそうです。タイ人はやっぱりいやらしいですね。
 3Rは押され気味だった大月選手、4Rはうまくステップを使って距離を取り、スタミナを温存しようとしていたように見えました。そして迎えた最終5R、突っ込むようにして左フックをヒットさせ、効いたと見ると一気にラッシュ。2回引っくり返して、最後はレフェリーが止めに入ってKO勝ち。本当に意地で倒したような試合でした。
 大月選手は試合後、内容に納得がいっていないようで、さっさとリングを降りていましたが、これだけ粘る相手を、最後は意地で倒した辺り、やっぱりすごいですね。ちゃんと最終Rに勝負するために4Rは流していたし。スタミナ切れた状況でこういう頭が使えるって、結構すごいことだと思います。
 意外なことにタイ人相手には初勝利なんですね。おめでとうございます。

 久しぶりに見応えたっぷりの興行でした。次も楽しみですが、たぶんこれを超える盛り上がりにするのって、結構大変なんじゃないかと思いますね。結果的に残った選手は全日本の選手ばかりですし、お互いにやったことある相手との準決勝ですからね。
 某所で聞いた「もう一回他団体を4人入れてやればいいんだよ」というのが無責任ですが一番面白いと思います。今度は桜井選手とか増田選手も入れて。

by masumania | 2007-08-26 22:21 | キック/格闘技  

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