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チャンピオンになりたいと思ったことはありませんでした。

ただ「キックボクサー」になりたかったんだと思います。


 私がキックボクサーとしてデビュー戦のリングに上がったのは1996年の12月でした。
 それから10年も経つんですね。
 それから団体は全日本キック→Jネットワーク→新日本キックと変わっていますが、プロのリングで試合をしたのは合計で18回。戦績は18戦3勝7敗8引分。勝ちはわずか3つで負けがいっぱい。一番多いのは引き分けという情けない結果です。
 唯一の自慢できるのは3つの勝ちが全部KOかTKOってことでしょうか。でも、それも自分にパンチ力やキック力があったというよりは、相手が打たれ弱かったりディフェンスが甘かったりしただけですけどね。

 そんな戦績なんで、いろんな人に何度となく「もう辞めたら?」といわれました。「何で続けるの?」と聞かれても自分でも理由は答えられませんでした。
 それでも続けて来た理由は、キックが好きだったのと「キックボクサーになりたかったから」なんだと思います。何となく、自分の中で「ここで辞めても“キックボクサーでした”なんて言えないな」という思いがあって、ズルズルと続けてしまったのだと。
 キックを始めるときや選手になるときは、だいたいの人が「チャンピオンになりたい」と思うようですが、考えてみると私はチャンピオンになりたいと思ったことはありませんでした。キックの場合、団体がたくさんあって日本チャンピオンが何人もいるので、あまり魅力を感じていなかったこともありますが、そこまでの覚悟がなかったというのが正直なところだと思います。とりあえずの目標は「5回戦の選手になること」でした。5回戦の選手にならないと「キックボクサー」とは言えないような気がしていたので。
 まあ、結局はその目標すらも果たせなかったのですが…。

 9月3日の試合、一応は勝つことができたので、これを区切りに現役生活にピリオドを打ちたいと思います。
 納得ができる結果は出せていませんが、尊敬する先輩に昔いわれた「どこまでやったって、最後は悔いしか残らないんだよ」という言葉を思い出しながら。
 今月には子どもが産まれることも、いい区切りだと思いますし。

 さて、果たして私には「キックボクサーだった」と産まれて来る子どもに言えるだけの資格があるのでしょうか?

by masumania | 2006-12-15 23:56 | キック/格闘技  

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