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選挙ですね

 あんまり政治的なことは書かないようにしようと思っていたのですが、あまり露骨に無視するのもどうかと思うので・・・。長くなりそうですし、不快になるかもしれませんので、こういう話が好きではない人は読み飛ばしてください。

 まず、選挙に至った解散の経緯ですが、まあ明らかにヒステリックの首相の独走だとは思います。任期も残り少ないですし、なんとか歴史に名を残そうと必死なんだろうな、と思って見てました。賛否両論は色々ありますが、私としては「国民主権というけれど、主権が本当に市民の手にあるのは選挙の時だけ」という言葉もありますので、選挙になったのはよかったかなと。せっかく(今だけ)「主権」がこの手にあるのですから、行使するために投票に行こうと思います。

 で、今回の選挙の争点だと首相が騒ぎ立てている郵政民営化についてですが、正直、自分たちにとってそれほど大切な問題だとはどうも思えません。
 郵便貯金や簡易保険などの巨額な資金を国(公社)が管理しているから、公共事業などにムダ遣いされている。民営化してこの資金が市場に出てくれば経済が活性化する。といわれてはいますが、そのお金が私たちのレベルまで回ってくることは期待できませんし、大きな企業とかのあいだでやり取りされて、おいしい思いをするのはごく一部のお金持ちと運がいい人だけなんだろうなと。民営化したところで、中小には貸し渋りをして、柄の悪い金融会社とかには投資しまくる感じの悪い銀行が増えるだけとしか思えません。
 かといって、民営化法案に反対した自民党の議員は、結局全国の特定郵便局の局長たちの利権を代弁してるだけとしか思えないので、こちらにも全然感情移入できません。特定郵便局の局長ってそれだけで年に1000万の給料とかもらえるらしいし、近所にある特定郵便局の局長がとっても感じ悪かったから、という個人的な感情もありますが(w

 現行の郵政に色々と問題があるのはわかりますし、何とかしていかなければと思いますが「民営化して競争原理を適用すれば何でも良くなる」という考え方には違和感があります。国会で何度もいわれてることですが、民営化されれば採算が合わない過疎地域の郵便局とかは閉鎖されてしまうでしょうし(ニュージーランドでも全国の約3割の郵便局が閉鎖されたとか)、そうした生活に関わるインフラの部分は市場原理の外に置いておかないとまずいのではないかと。
 郵便貯金も利用者の多くは収入の少ない年金生活者とかみたいだし、その生活を守るためにも手数料とかが安い郵便貯金は必要なのではないかと思います。そもそも、首相が郵政改革の見本だと繰り返しているニュージーランドでは、一度民営化された郵便貯金を扱う国営銀行が10年も前に復活してることを、全然誰もいわないのが気になります。民営化してみても、結局は郵便貯金的なものが必要という市民の声で国営銀行というかたちで復活したらしいです。今は郵便局の中に国営銀行の窓口があるとか。本末転倒とはこのことですね。
 そうした前例があるのだから、きちんと学ばないと、と思うのは私だけでしょうか。

 もうひとつ気になるのは、首相の進める郵政民営化がアメリカからの要請に基づいているものであることを誰も大きな声でいわないことです。アメリカ大使館のHPには、アメリカ政府からの公式な要請書まで載っているのですが・・・。
 自由化して資本が自由に流れ込むようになれば、一番おいしい思いをするのは世界一資本が集中しているアメリカ
であるのは明らかで、小泉首相の郵政改革や構造改革はそもそもアメリカへの貢ぎものだという話も、かなりリアリティがあります。民営化で市場が活性化するどころか、結局公社が持っている巨額な資金がそのままアメリカに流出するだけ、ということにもなりかねません。
 そもそも小泉政権になってからの「改革」は、収入に応じて税率がアップする累進課税の、収入が多い人の税率だけがいつのまにか引き下げられていたり、サラリーマンの健康保険の負担率が3割にアップしたりと、お金を持っている層を優遇し、貧乏人に厳しいものばかり。競争を激化させて「勝ち組」と「負け組」を作り出すことで、経済を活性化させるといいますが、実際に損をするのは貧乏人ばかり。それを「痛みがなければ改革はできない」と簡単にいってくれますが、「痛み」では済まずに、生活できなくなって自殺する人もどんどん増えているのに。
 正当な競争のうえで「勝ち組」「負け組」は決まるのなら、まだいいのですが、現状だとすでに「勝ち組」になっている人に合わせてルールが作られているようなもので、スタートラインさえ同じではない。「勝ち」も「負け」もあらかじめ決まっているような状態です。もちろん、そんな中からも「勝ち」を掴める人もいるのかもしれませんが、大多数は「負け組」に追いやられるのは目に見えています。(ちなみに前出のニュージーランドでは、規制緩和、民営化を主体とする大改革を行い、失業率がそれまでの1%台から11%にまで上昇しています)

 そのほかにも、憲法の話とかイラク派兵のことなどもあるのですが、キリがなくなるのでやめておきます。取りあえず、今回の選挙の争点は、上記の「勝ち組」「負け組」を作り出す(そしてアメリカに資本を流出させる)小泉改革に「Yes」なのか「No」なのか、ということなのだと思います。
 さて、どこに、そして誰に投票しましょうか?

by masumania | 2005-08-23 13:13 | 気になるニュース・言葉  

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