更新できていなかった時期の仕事などをいくつか書いておきたいと思います。
まずは、ナツメ社の
『骨・関節・筋肉の構造と動作のしくみ』という書籍。
東京大学の深代千之先生にお話を伺いながら原稿執筆などをさせてもらいいました。タイトルの通り、骨や関節、筋肉の構造だけでなく、それが「どう動くか」「どう動かすのが正しいのか」という部分に触れた本です。
この「身体の使い方」について研究するのがバイオメカニクスという学問なのですが、これが非常に勉強になりました。身体をどう動かせば速く走れるのか? 速いボールを投げられるのか? 強く蹴れるのか? ということって最近の研究でずいぶんわかってきているのです。で、それは昔から言われていた「常識」とは結構違う部分もある。
この本を書く過程で、速く走るための身体の使い方を教わり、それを実践してみたら明らかにスピードの乗り方が違いました。しかも疲れにくい。
もう、あまり全力疾走する機会なんてないので、体力は衰えていますが、ちゃんと練習をすれば今までで一番速く走れるんじゃないか? と思うレベル。正しい身体の使い方って大切なんだなと思いました。
個人的にオススメなのは「体幹」について書いた部分です。最近、体幹トレーニングとか流行っていますが、単に鍛えるだけでなく、その使い方を理解していないと、その成果をきちんと出すことは難しいと思うので、ぜひ読んでいただきたいところです。
前述の速く走るための身体の使い方も、ようは体幹の力を使って走るってことです。体幹って、単に身体を安定させるだけでなく、大きな力を出すとか手足を速く動かすみたいなこと全てに関わってくるんですね。詳しくは本をお読みいただければと思いますが。
もう1つ、この仕事に関わったおかげで、一流といわれるスポーツ選手の身体の使い方が、どこが優れているのか? という部分がよくわかるようになりました。
自分が格闘技をやっていたので、そっち系の選手に主に興味があるのですが、一流といわれるボクサーや格闘家って、やはりこの本で書かれている正しい身体の使い方をしているんですね。その辺がわかるようになっただけでも、スポーツを見るのが面白くなりますので、自分でスポーツをやる人だけでなく見て楽しんでる人も、ご一読いただけるとスポーツの動きをより深く理解して観戦が面白くなるかと思います。
一番感心したのは、ムエタイの選手。あれだけうまく体幹を使う選手がいる競技もなかなかないと思います。体幹を鍛え、うまく使えるようになるためにはムエタイをやれ! って言いたくなるレベルでした。
自分もキックをやっていて、ムエタイ選手の強さの理由はずっと知りたいと思っていましたが、その謎が解けた思いでした。
類書は色々と書店に並んでると思いますが、その点はたぶん一番面白いと思います。ぜひ、一度手に取っていただければと。