カテゴリ:映画/音楽( 11 )

 

映画『第9地区』

 久々に仕事ネタでない更新。
 iTunesで映画のレンタルが始まったのを知り、早速借りてみたものの今まで見らずにいましたが、やっと見ることができました。公開時にも観に行きたかったのですが、忙しくて行けなかった『第9地区』こちらはwikipedia)という作品。事前の期待通りの面白さでした。
 面白さの理由の1つは社会性のある設定。宇宙船に乗ったエイリアンが襲来……、というところまではアメリカ映画にありがちですが、そこで宇宙人と闘うのではなく、彼らを難民として受け入れるという設定が興味深いです。そして、その難民キャンプがスラム化し、周囲の住民との軋轢が生じたり、闇物資を流すギャング集団が現れたりというあたりも現実によくある話でリアルです。そして、そこの管理を請け負うのが民間の軍事会社であるという点も、今風ですね。
 場所の設定がありがちなニューヨークやワシントンではなく、南アフリカのヨハネスブルクであることからわかるとおり、人種差別とか外国人差別のアナロジーであることは明確です。こうした問題は世界中で起きてることですから(日本も例外ではない)、観客にこうした問題について意識させる狙いがあるのでしょう。

 そんな重みのある設定でありながら、普通にハラハラドキドキしているエンタテインメント作品になっている点もすごいです。エイリアンたちは、多くの人が「生理的に受け付けない」ようなルックスで描かれているのですが、見ているうちに、いつの間にか人間よりもエイリアンのほうに感情移入してしまっている自分に気付きます。普通の映画であったら、悪者かヤラレ役にしかならないルックスの生物に感情移入させてしまうのは、作り手の表現力によるものでしょう。
 個人的には設定を聞いただけで見る気になっていて、見せるためのストーリーは半分どうでもいいと思っていたのですが、この表現力というか展開力には感心しました。見てるうちに、だんだん自分たちと同じ見た目の人間たちのエイリアンたちに対する所業が、どんどん不当に感じられてきて、グロテスクな見た目のエイリアンのほうに感情移入してしまうんですよね。
 きちんと文脈を示して不当な所業であることを見せれば、見た目の同じ人間よりも異質なエイリアンの側に観客を立たせることができるということを見せられた気がして、ちょっと勇気づけられた気分になりました。
 現実の社会でも見た目の同じ「同胞」が異質な「エイリアン」たちに行っていることを、きちんと俯瞰で可視化することが大切なのかもしれません。作品のなかでも「エイリアンなんだから何をしてもいいんだ」という振る舞いをする人や、それを「エイリアンだから仕方ない」と黙認する人、『自分の星に帰れ」と排斥しようとする人などが出てきますが、そういう人間が実はグロテスクな見た目のエイリアンよりも醜い存在であることに、現実の世界でも気付いて欲しいと思いました。
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by masumania | 2010-12-29 03:30 | 映画/音楽  

六ヶ所村ラプソディー

 先日、今さらながら映画『六ヶ所村ラプソディー』を見て来ました。 
 六ヶ所村の再処理工場の話は知ってはいましたが、改めて無茶で危ないと思ったというのが率直な感想ですね。
 無茶っていうのは、この工場では原発で使った廃棄物を再処理して、プルトニウムとウランを取り出してそれをエネルギーとして使おうということなんですが、そのプルトニウムとウランを混ぜた燃料を使える原発がどこにもないってことです。しかも、再処理の過程で出る放射性廃棄物の受け入れ先もどこにもない。そんな状態で稼働を急ぐ必要がどこにあるのかわかりません。
 危ないというのは、工場から排出される放射性物質です。これは放射性廃棄物とは別に、煙突と海中に作られた放水管から空中と海中に排出されるもの。原発が1年間で出す量を、この再処理工場では1日で出すそうです。致死量に直すと年間で5万2700人分だそうです。これを危ないと言わずになんといえばいいのか…。

 タイミングよく、アウトドアウェアメーカーのパタゴニアが六ヶ所村再処理工場 いま、私たちが知るべきことというwebサイトをオープンしています。わかりやすくまとまっているし、リンクも充実してるので、一度のぞいて見てください。

 私は別に今すぐ原発を止めろみたいなことを言うつもりはないのですが、この再処理工場は原発の是非うんぬんではなく止めた方がいいと思っています。止めたところで、今の原発の稼働には何も影響はないわけだし、もちろん私たちの使っている電気にも影響ありません。
 政府は「純国産エネルギー」という言葉にこだわって、再処理を進めたいようですが、こんな危ない話、もう少しちゃんと説明してからにしてくれよと。このまま、みんなが何も知らないうちに稼働させて既成事実を作っちゃおうみたいな進め方だけは勘弁して欲しいものです。

 折しも六ヶ所村再処理工場の直下に活断層か(読売新聞)という記事も出てましたね。マグニチュード8クラスの大地震が起こる可能性もあるとか。
 柏崎原発の直下に活断層があったのも、東京電力が隠していた実績(?)もありますし、原子力関連施設の下にある活断層は実際よりもだいぶ小さく測定される傾向があるそうです。
 先日の中国四川の地震でも原子力関連施設から放射能漏れがあったそうですが、狭い日本でそんなことがあったらどうなるのか? あまり考えたくないですね…。

 最後に、この問題について一番わかりやすく話してると思われる田中優さんという人の映像URL(YouTube)を貼り付けておきます。サーフィンやる人とかは特に必見です。
 
<追記>
 自民党の河野太郎という議員さんが核燃料再処理について説明している動画がとてもわかりやすいので貼付けておきます。
 2050年まで実用化の見通しが立たないと政府も認めている高速増殖炉。そこで使うプルトニウムを作るための再処理を、なぜ今からやらなきゃいけないのか? そこに何兆円ものお金を注ぎ込まなきゃいけないのか? 理解に苦しむところですね。
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by masumania | 2008-05-30 23:39 | 映画/音楽  

『麦の穂を揺らす風』

 先日、仕事の合間に『麦の穂を揺らす風』という映画を観てきました。
 アイルランドを舞台にした映画で、06年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品です。
 アイルランドを舞台にした作品は昔から結構観ていて、『白馬の伝説(原題:In to the west)』『ナッシング・パーソナル』『ボクサー』なんかが印象に残っています。あと、『クライング・ゲーム』も名作でしたが、アイルランド紛争が絡んだストーリーでしたね。

 そんなこともあって、母に「つらい映画だけど、あなたは観といた方がいい」と言われ、公開最終日に何とか観に行けました。小さい映画館でしたが、すごい人でチケット売り場から駅の方まで列ができているほど。そんなにテレビなどで話題になっている作品ではなかったはずですが、口コミで広まっているんでしょうかね。
 内容は、言われた通りつらい映画でした。僕は映画を観て泣いたことは今までなかったのですが(「冷たい」とよく言われます…)、この映画のラストは我慢ができませんでした。
 ハリウッド映画とかを見慣れてる人だと、何でこんなつらい終わり方をするのか理解できないと思います。
 でも、アイルランドの歴史はこのまま終わりではなく、その後の独立があり、また北アイルランドではつらい戦闘が繰り返されますが、それも一応今は停戦までこぎ着けています。その辺は調べていただけると、救いがあると思います。

 ただ、この映画と同じような状況に置かれている人たちは世界中にまだたくさんいて、例えばパレスチナのことを勉強している人たちは、この映画を観て「これはパレスチナだ」と思い、イラクのことをやっている人は「これはイラクだ」と思うらしいです。
 たぶん、この映画を作った人たちもその辺のことは意識しているんだと思います。

 つらい映画ですし、理解しやすい映画でもないと思いますので、あまり無責任にお勧めはできませんが、興味を持たれた方は観ておいて損のない、というか観ておくと確実に自分の中に何かを残してくれる作品だと思います。まだ都内でも上映するみたいですし、機会がありましたら…。
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by masumania | 2007-04-19 02:32 | 映画/音楽  

no music my life

 以前から、音楽を聴く以外にも取材時の録音機器として、そしてUSBメモリー代わりにと仕事でも活躍してくれていたなんちゃってシャッフル君がお亡くなりになりました。
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 完全に動かなくなったわけではないのですが、ある取材に行った先でデータを受け取るのに使用したら、Macで読み込むことができなくなりました。
 Windowsでは問題なく使用できていたのですが、Macで使えないとUSBメモリとしては話にならないので、Macでフォーマトし直したところ、なぜか音楽再生、FMラジオ、マイク録音の機能が失われてしまいました…。
 今では”iPod shuffleみたいな形をしたUSBメモリー”に成り下がっています。SushiDiskみたいなものですね。

 そして、私の周りからは移動中などに気軽に音楽を聴ける機器がなくなりました。
 一応ICレコーダーやケータイにも音楽再生機能は付いているのですが、バッテリーを食うし操作性もよくないし、やはり専用品が一番のような気がします。
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by masumania | 2006-11-12 13:51 | 映画/音楽  

なんちゃってシャッフル

 最近、プライベートはもちろん仕事でも活躍してくれている台湾製の“なんちゃってシャッフル”君です。
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 リンク先にもあるmujinamo君からもらったレザーケースに入れてみたら、バッチリ収まるだけでなく、どう見てもiPod shuflleです。本当にありがとうございました。

 ここのところ、音楽を聴く習慣がなくなり“No music my lyfe”な感じの生活だったのですが、このなんちゃってシャッフルを購入したこととiTMSの開始で身の回りに音楽が帰って来ました。移動中は音楽を聴いてばかりです。リリー・フランキーさんの言葉を借りるならば「歩きながら音楽が聴けるってスゴイことだよね」って感じです。

 音楽を聴く以外にも、取材先でボイスレコーダーとして使ったり、写真のようにPCに刺してフラッシュメモリ代わりに使ったりと仕事でもかなり活躍してくれています。特にボイスレコーダーとして使用していると、必ず「iPod shuflleって録音もできるんですか?」と聞かれるので、「実はこれiPod shuffleじゃないんですよ」と、取材相手との会話のネタとしても活躍してくれます。

 FMの感度がイマイチで、電車の中などではほとんど聴けないのが、ラジオ好きな私としては不満ですが(あと操作を間違えると録音データが壊れることがある)、予想以上の活躍っぷりに驚いています。“なんちゃって”のくせに…。

 でも、彼のブログを読んでいたら、今度はiRiver U10が欲しくなってきてしまいました。
 てゆーか、あなたは一体いくつのメモリーオーディオを持ってるんですが?
 iPodの40GBを2ついっぱいにしてしまったのと、私と同じ“なんちゃってシャッフル”を持ってるところまでは知ってるのですが…。
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by masumania | 2005-11-30 07:07 | 映画/音楽  

逆転現象?

 前回に引き続き、iTunes Music Storeのネタです。自分のニセshuffleで再生できないことがわかっても、ついついアクセスして曲をダウンロードしちゃってます。1曲150円〜200円という値段設定が絶妙で、いらない曲まで購入してしまうようです。持ち歩くことはできなくても、パソコンで楽しむことはできますし・・・。

 で、眺めてると結構面白いのが、ダウンロードのトップ100。何というか「なるほどiTMSらしいな」と思える曲が多いです。簡単に分けると、ひとつは「ちょっと聴いてみたいけど、アルバムやシングルを買うほどじゃない」という曲。上位に常に入っているDef Techの曲なんかがこれですね。私もダウンロードしましたが、クレイジー・ケン・バンドの「タイガー&ドラゴン」なんかもこれに属するのかもしれません。てゆーか、これ以外のクレイジー・ケン・バンドの曲ってほとんど知りません・・・。
 もうひとつは「気にはなっていたんだけど、店で買うのはちょっと恥ずかしい」という曲。これも常に上位に入っている大塚 愛の曲なんかは、まさにこれではないでしょうか。ええ、私も気にはなってます。でも、ネットでダウンロードするのすら恥ずかしいので、まだ購入はしていませんが。
 で、3つめが「欲しいとは思っていたんだけど、今さら収録されてるアルバムとかを調べたりするのもな・・・」という古い曲。「愛のメモリー」とか「大都会」とか「想い出がいっぱい」とか、テレビなんかで耳にするといい曲なので、ちょっと欲しいなと思うのですが、わざわざ収録されてるアルバムを調べてまで買いに行こうとは思わないですよね。深夜の通販なんかでよく売ってる「昭和の名曲」みたいな曲も随分ランクインしています。

 結局、iTMSで売れてる曲というのは、現実のCDセールスでもそれなりに売れた曲ばかりなのですが、微妙に時期がずれている感じです。「早さ」がウリのはずのネット上の方が、現実のCDセールスよりも遅れているように見えるのが面白いですね。
 現実のブームに乗り遅れて、あわててネット上で流行を追いかけようとしている私のような人が結構いるってことなのでしょうか。
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by masumania | 2005-08-12 23:03 | 映画/音楽  

結局、本物を・・・

 私がニセshuffleを購入したのに合わせるように、iTuneのMusic Storeがオープンしてくれました。今までも音楽配信サイトはいくつもありましたが、Macに対応しているものはほとんどなかったので、実はオープンを心待ちにしていました。
 早速、登録を済ませてダウンロードしてみました。Internet Explorerなどのブラウザを起動したんくても、iTuneからそのまま試聴やダウンロードができるので非常に便利です。対応していないレコード会社があるため、欲しかった曲が入手できなかったり、検索がもう少しわかりやすくできないかな、などの不満はありましたが、ワンクリックでそのままダウンロードができるのはありがたいです。
 ダウンロードした曲から同じアーティストの曲を探せたり、iMixに飛んで似たテイストの曲を探したりできるので、ついつい色んな曲をダウンロードしてしまいました。

 で、20曲ほど購入してから気付いたのですが、これってAACの形式なんですね。私のニセshuffleでは再生できない・・・。
 しかも、保護がかかっているので、MP3にも変換できません。

 誰か、この曲たちをMP3に変換できる方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください。
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by masumania | 2005-08-08 02:56 | 映画/音楽  

高田渡さん

  - 毎日新聞 - 訃報 高田渡さん56歳=フォ−クソング歌手の草分け
 亡くなってしまったのですね。まだ、そんな歳でもないのに・・・。残念です。
 私が「フォークの草分け」の時代を知っているわけもないのですが、ラジオから流れていた「生活の柄」という曲を聴いてショックを受け、次の日CDを買いに行って以来のファン(というかライブにも行ったことはなく、一回行ってみたいなと思っている程度のファン)でした。
 この映画も観に行かないとな・・・と思っているうちに、予想もしていなかった訃報。
 ご冥福をお祈りいたします。
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by masumania | 2005-04-18 23:42 | 映画/音楽  

買ってしまいました

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 木村カエラのニューシングル「リルラリルハ」です。最初、VodafoneのCMで聞いたときは「下手だな」としか思わなかったのですが、ココを見て、パンク志向のヒトなんだなと思ったら見方が変わりました。歌も「パンクだから、わざと下手っぽく歌ってるんだな」とか。
 あと、妙にバンドっぽい音も、バンドブームの頃に物心(?)ついた世代にとっては惹かれるものがあります。それも、今風の若い女の子がそういう音で歌っていたりすると、なんとなく「自分たちの感覚は間違っていなかったんだ」と錯覚させてくれるあたりが、結構上の世代にも人気がある秘密なのでしょうか。
 てゆーか、まんまと引っかかってしまいましたけど。
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by masumania | 2005-04-07 22:08 | 映画/音楽  

失業者の風景

 映画ネタで思い出したので、書かせていただきます。
 「憎しみ」「トレインスポッティング」「トゥエンティフォー・セブン」。私の中で勝手に“ヨーロッパの失業した若者3部作”と読んでいる3本です。ともに'96〜'97年の作品で、舞台はそれぞれフランス、イングランド、スコットランドと異なりますが、職のない若者の日常を描いたという点で共通する作品です。ヨーロッパではこの頃から、若者の失業者が多かったということでしょう。
 この映画を見た当時は、「近い将来、日本もこうなるのかな」という実感はあまりなかったのですが、今見ると「明日にでも日本でも見られそう」な風景に感じられます。まさか、10年も経たないうちに「明日は我が身」と思えるようになるとは。当時は予想できなかったことだと思います。それだけ、急速に不景気が進んだということなのでしょう。
 3本とも、今見ると当時と違った含蓄があって面白いと思います。
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 いや、最近の私がプチ失業状態だったから、そんなことを考えてるだけかも知れないですけどね。
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by masumania | 2005-01-24 23:36 | 映画/音楽