カテゴリ:キック/格闘技( 85 )

 

K-1 MAX日本代表決定トーナメント

 今月は少しマメに更新しようと思っていたのに、またも間があいてしましました…。

 で、表題の件。
 K-1は、このMAXの日本トーナメントが一番面白いような気がしています。知っている選手が多くて感情移入しやすいこともあるかもしれませんが、技術的にもレベルは上がっているし、何よりむき出しの気持ちのぶつかり合いが見られるのがたまりません。
 考えてみれば、私が前に所属していた会社に入って、一度は辞めたつもりだったキックを、またやりたいと思うようになったのには、魔裟斗選手の出場していた第1回のMAX日本トーナメントが大きく影響していることは間違いありません。何と言うか、見ているとジッとしていられない気分にさせるパワーがあるんですよね。それにやられて、今も深夜にブログを更新しているわけです。

 今回のトーナメント、個人的には優勝は城戸選手か日菜太選手かなと思っていたのですが、見事に外しました。長島選手は、連続KO負けのダメージがある(1度派手なKO負けした選手は、その後目に見えて打たれ弱くなることが多い)と思っていたので、正直1回戦も厳しいかと思っていました。すみません。
 でも、今回のトーナメントで間違いなく、一番いい動きをしていて、一番いい試合をしていたのは長島選手だと思います。最後の決勝戦は、完全に長島選手に感情移入してしまって、勝利の瞬間は不覚にも涙が出そうになりました。
 長島選手は昔、MARSという総合格闘技のイベントに出ていた頃に見たことがあって、キックの試合も何度か見ているので、何となく親近感を持ってしまっていることもありますが。

 試合内容ですが、1回戦の名城選手に勝った試合は、わずか39秒という短時間なのもあって、よくわかりませんでした。先に当てる勘は鈍ってないな、とか、魔裟斗も言っていたように体格差があったのかなと思った程度でした。
 でも、2回戦での動きを見て、これはスゴいと確信しました。
 ノーモーションの右ストレート(直突き?)を打った瞬間に右に回り込む動きとか、頭をずらしながら打つ左フックとかの動きは昨年と同じですが、何より出入りを使って相手のパンチを丁寧に外して、よく見ているのが印象的でした。
 去年までは、一か八かで突っ込んでるような場面が結構あり、それが魅力でもあったのですが、前述の通り打たれ弱くなっている可能性のある今回は、丁寧に出入りを繰り返していました。長島選手の強みを活かしつつ、ダメージの蓄積を避ける動きをしみ込ませたのは、トレーナーが偉いのだと思います。
 今年に入って、大宮司(元)選手がトレーナーをしているようですが、スゴい手腕だと思いました。(前日に、たまたま大宮司さんとお話する機会があったこともあって)

 そして、何度もビデオで繰り返し見てしまったのが、龍二選手から最初のダウンを奪った場面。
 まず、左アッパーから右ストレートを返して、この左アッパーが入ると見ると、いったん左フックで外に意識を振っておいて、左アッパーとタメの動きが似ている左ボディーを打ち、そして同じようなタメから一瞬タイミングをズラすような左フックをヒットさせていました。そこから詰めの左アッパー→右ストレート。
 たぶん、本当の狙いは直前に入った左アッパーだったのでしょうが、あの打ち合いの中でこれだけ多彩に左を上下とガードの内と外に打ち分けられるというのは、よっぽど練習を積んでいないとできないことです。もちろん、長島選手の“当て勘”の良さもありますが、それとは異質の、努力を積まないと身に付かない技術だと思います。

 最後の決勝戦も、出入りを使いながら多彩なフェイントをかけ、丁寧に闘っているのが感じられました。とはいえ、守りに入っているわけではなく、打ち合い上等の気構えがあるから、1発もらってダウンしてしまった後も、(ダメージは確実にあったはずですが)盛り返すことができたのでしょう。
 最後の右フックも、きちんと相手の右を見切って外しながら打っていました。タイミングもばっちりで、一発のダメージも大きかったと思いますが、今まで一度も倒れたことのない中島選手をKOできたのは、それまでに細かいヒットで積み上げたダメージがあったからでしょう。
 よく考えて練習を積んでいることがわかる丁寧な技術と、ハードパンチャーとの打ち合いにも引かない気持ちの強さ。何か感動してしまいました。

 優勝後のインタビューは、彼らしくない、本当に“素”のコメントだったと思いますが、あんな格好して、彼が非常に真面目に格闘技に取り組み、K-1 MAXの将来を考えていることが伝わったような気がします。
 いい選手といい試合が見られて(テレビだけど)、とても興奮しています。
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by masumania | 2010-03-28 02:47 | キック/格闘技  

筋トレをめぐる誤解

 珍しく、連日更新できているので、続くわけはないけれど、少しだけがんばってみます。
 最近は、練習をしなくなったことで落ちていく一方の体力と筋肉を、なんとか維持しよう、というよりは落ちるスピードを少しでも緩やかにしようとするぐらいしか、体を動かしていません。
 そんな中で、試してみたら意外と効果が高かったのが、最近流行り(?)のスロートレーニングというやつです。ジムに行ったりする時間もないので、道具を使わずに自宅でできるトレーニングしかしていないのですが、その割に適切な負荷を与えることができるのがポイントです。

 で、この「適切な負荷」っていうのを誤解している人が結構多いみたいなので、その点について今回は書いてみたいと思います。
 まず第1段階の誤解として、今でも結構いるのが、筋トレはたくさん回数をこなせば筋肉が付くと思っている人。腕立て50回とかスクワット50回とかやっても、基本的に筋肉は付きません。筋持久力は付くので無駄とは言い切れませんけど。
 よくいわれるのは「10回以上できる負荷でトレーニングしても意味はない」ということ。つまり「10回やるのがギリギリ」「がんばってやっと10回できる」ぐらいの負荷のトレーニングが筋肉を大きくするのには必要ということです。10回という回数は、たぶんアスリート向けの数字だと思うので、一般の人はあまりこだわる必要ないと思いますが、20回ぐらいできちゃう負荷だと、もう少し負荷を高めた方が効果が出るはずです。

 で、第2段階の誤解なのですが、上記の言葉を「筋トレは10回(あるいは20回)以上やっても意味ない」と誤解している人も意外と多いように感じます。がんばれば30回ぐらいできちゃう負荷のトレーニングでも「意味ないから」といって10回で止めちゃう人とか。
 上で言っているのは、あくまでも「限界までがんばって10回やっとできる負荷」が適切だということであって、10回以上やるのが無意味というわけではありません。むしろ、ギリギリまでがんばって“もう上がらない”と思うぐらいときに上げた最後の1回が一番効くと言われているので、がんばれば11回、12回できるのに10回でやめてしまうのはもったいないとも言えます。

 まあ、自宅でやるようなレベルの筋トレの場合、とにかくできる範囲の最大の回数までがんばってみて、それが20回を超えているようなら負荷を高めるってぐらいでいいと思います。
 その負荷を高めるのが、ウエイトなどの道具がない自宅トレーニングの難しいところですが、スロートレーニングは、ゆっくり降ろしてゆっくり上げることで、その負荷を高められるのが便利なところです。取りあえず、4秒かけて降ろして、4秒かけて上げる感じでやってみると、そのキツさにビックリすると思います。で、その時間を調整することで、比較的簡単に負荷も調整できますし。
 トレーニングメニューなんかは、本がたくさん出ているので、それを見てもらえればと思いますが、やる時に気をつけるのは、10回とかキリのいいところでやめないで(最初はそれでもいいですが)、できる限界の回数までがんばってみるってことでしょうか。そうすると、次の日は筋肉痛になってたりすると思いますが、それは効果が出ている証拠。2〜3日間をあけてもいいので、続けてみましょう。

 ↑これが第3段階の誤解ですかね。「筋トレは毎日やらないと効果ない」と思っている人って未だに多いみたいです。むしろ、毎日できちゃうようなトレーニングでは、負荷が足りていないので、次の日は筋肉痛になって同じトレーニングはできないぐらいの負荷で取り組む必要があります。
 筋肉は休んでいる間に成長するものなので、きちんと休養を取ることも大切です。部位にもよりますけど、だいたい2〜3日は休んだ方がいい。だから、トレーニングは週に2〜3回で十分ってことになります。
 それでも毎日やりたいという人は、脚の日とか腕の日とか、胸の日みたいに日ごとに部位を分けてやれがいいかと思います。筋トレマニア(?)の人たちはそうしてます。

 ここに書いたことは、トレーニングについて少しでも知ってる人なら、聞いたことがある基本中の基本なので、特に目新しいことはないと思います。
 でも、意外と知らない人も多いみたいなので、あえて書いてみました。「当たり前のこと偉そうに書いてんじゃねーよ」という突っ込みはご勘弁ください。
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by masumania | 2010-03-03 23:29 | キック/格闘技  

選手を辞めて変わったこと

 キックボクシングの選手を辞めて、2年半ぐらいになりますが、その間に感じた変化などを書いてみようかと思います。
 といっても、「太った」とか「体力が落ちた」というのは当たり前のことなので、それ以外の意外な変化を。(もちろん私も太ったし、体力は断然落ちました)

●冬が寒くなった
 辞めてから2回の冬を経験しましたが、どちらも暖冬だったはずなのに自分には寒く感じられました。以前は、Gパンの下にスパッツを履いたりするのは寒さに負けた気がして嫌だったのですが、ここ2年は冬の初めから手放せません。特に、下半身が寒い感じです。
 たぶん、体を動かさなくなったことで、新陳代謝が落ちているのだと思います。試しに、家で軽く運動してみたら、現役時代の練習の何分の1かしか動いてないのに、体がほてってその日は1日暖かく過ごせたりしました。練習には体を暖める効果もあったんですね。

●パンチが伸びるようになった
 練習しなくなったのにパンチが伸びるようになるって、変な気もしますが、肩の周りの筋肉の疲れが抜けて、肩がよく回るようになったためです。現役中は、いつもどこか強張っているような状態で、肩がちゃんと動いてなかったんですね。それは、私の調整が下手だったためでもありますが…。
 あと、よく「毎日練習してるんだから何で筋肉痛になるの?」って聞かれましたが、レクリエーションでやってるスポーツならともかく、追い込んだ練習してれば、次の日に筋肉痛は残ります。久しぶりに運動した時になる筋肉痛とはちょっと違う感じですけどね。逆に次の日に疲れが残らない練習じゃ意味がないというか。どんなスポーツの選手でも、その辺は同じだと思います。だからこそ、試合前に疲れを抜く期間が大事なのではないかと。

●肩が凝るようになった
 上で書いてることと、ちょっと矛盾する感じですが、選手だった頃は練習の疲れは筋肉に残ってる感じでしたが、それは純粋な筋肉の疲れで、いわゆる肩が凝る感じとは違うものでした。今は、筋肉痛とかになることはないのですが、やはりパソコンに向かっている時間が長いので肩が凝ります。で、肩凝りに関する本とか記事も読むようになったのですが、運動、それも肩甲骨を動かすような運動してると肩が凝らないみたいですね。パンチの練習なんて、まさに肩甲骨を動かす運動なので、それが良かったんでしょう。現役の時も、パソコンに向かってる時間はかなり長かったはずなので。

 取りあえず、思いつくことはこれぐらいですが、何かまた思い出したら追加していこうかと思います。まあ、何の役にも立たない情報だとは思いますが…。
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by masumania | 2009-05-31 23:45 | キック/格闘技  

魔裟斗の言葉

 ここのところ原稿書きが忙しく、うっかり一昨日のK-1 MAXを見逃してしまいました…。
 YouTubeにアップされている何試合かは見ましたが、ダイジェストをやるかと期待してみたTBSの格闘王(格闘王子?)でも、魔裟斗とHIROYAのエキシビジョンしかやらないし…。

 で、番組の中で魔裟斗がHIROYAに対してアドバイスしていた言葉が気になったので、それについて書いてみます。(今も〆切りに追われてる状況なのですが、現実逃避も兼ねて)
 その言葉とは「自分が一番弱いと思って練習しろ」というもの。これはたぶん、魔裟斗が自分でもそう思いながら練習していたことからアドバイスしたのだと思いますが、テレビに映ってるときやマスコミを前にしてるときは常に強気な魔裟斗が、そんな風に思いながら練習していたということはとても意外でした。それに続いて「試合になったら自分が一番強いと思え」と言っていたので、魔裟斗はこっちの気持ちになっている自分だけをカメラの前に出していたんでしょうね。

 「自分が一番弱いと思って練習する」って言葉でいうのは簡単ですが、実は結構難しいことなんじゃないかと思います。少なくとも私はできてませんでした。
 試合前の選手というのは、すごく不安な状態にあるので、少しでも「自分は強い」と思おうとするし、自分が相手より優れてる部分を探そうとするんですよね。で、例えば「パンチは相手より自分の方が強い」とか「左の蹴りは負けない」とか思うと、だんだんそればかり練習するようになったり、スパーリングなどでもその技に頼るようになっちゃったりします。そうすると、自分の技術の幅を広げられなくなっちゃうわけです。(技術の幅を広げるような練習も試合のない時期にやりますが)
 魔裟斗の試合を見ていてすごく感じることは、1試合毎に技術の幅が確実に広がっていることです。得意のパンチが上達してるのはもちろんですが、ディフェンス面であったり、パンチからヒザ蹴りにつなぐ技術であったり、前蹴りやプッシングみたいな距離を作る技術であったり。
 そういう目を見張るような成長は、イメージに似合わない、こういう謙虚な心構えから来てたんだなぁと改めて思った次第です。
 そして、そうやって「弱い自分」を強くするための過酷な練習をしてきたからこそ、リング上やカメラの前では「自分が一番強い」と信じることができたんでしょうね。カメラの前では、あれだけ強気な発言をしながら、決して天狗になることなく自分を高められた魔裟斗の強さの秘密のほんの一端でしょうが、かいま見れた気がしました。
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by masumania | 2009-04-23 02:45 | キック/格闘技  

DREAM5

 久々に当日にテレビ放送があるので、ネットなどで結果を見ないようにしようと思っていたのですが(夜は別の大会取材だったのでビデオ録画してました)、取材現場で記者仲間の人から結果を聞いてしまいました…。だって、知りたいかって聞かれたら、知りたいじゃないですか。(←台無し)

 で、結果はこのへんを見ていただくとして、ハンセンですか。個人的には好きな選手なんですけどね。打撃の寝技もソコソコじゃないレベルでできて、本当の意味で総合格闘家っぽいので。でも、テレビ受けはどうなんでしょう? 「俺のための大会」って公言してがんばってた青木に勝って欲しかったのはみんな一緒でしょうね。
 まあ、この前のアルバレスとの試合は凄かったから、あれがもう一度見られることを期待しましょう。

 あと、その青木のヒールホールドと三角絞めを逃げ切った宇野は凄いと思いました。どっちもガッチリ入っているように見えたのですが。さすが“宇野逃げ”。
 ていうか、“逃げ”が得意技として自分の名前を冠していて、なおかつそれが認められていて人気もある選手って、この人ぐらいだと思います。
 海外のボクシングだと、確かドイツの選手だったと思うのですが、チャンピオンのまま無敗で引退した人の引退試合をWOWOWで見たことがありました(名前は忘れた)。その人、全勝なのにKO勝ちが一個もなくて、試合展開も日本だったら大ブーイングだろうというディフェンシブなもの。要所要所でジャブとか軽いパンチの手数は出してポイントは取ってるのですが倒す気はゼロ。
 でも、最終ラウンドは、3分間会場全体がスタンディングオベーションしっぱなしみたいな状態で、観客は彼のスタイルを認めてるんですよね。実際、ディフェンスはかなり高度な見応えある感じでした。
 格闘技に限らず、日本の観客ってディフェンスに対する評価が低いような気がするんですよね。例えば、サッカーでもイタリアでは相手に1点も取らせず、ワンチャンスをものにして1-0で勝つのが一番美しいのだそうです。派手好きのイタリア人らしくないと思いますが、それだけサッカー文化が成熟している証拠でもあるのかなと。
 そんな意味でも、宇野選手にはがんばって欲しいと思っています。
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by masumania | 2008-07-22 13:44 | キック/格闘技  

K-1MAXの感想

 最近、格闘技についてあんまり書いてなかったですが、久々にTVで見てても面白かったので。ウトウトしながら見始めたのに、いつの間にか正座して見てて、最後は立ち上がってシャドーしてました。バカですね。

 で、相変わらず魔裟斗選手の完成度はスゴイですね。ひとつひとつのパンチだけ見ても惚れ惚れする感じなのに、それが連打で出て、そこからさらにローやヒザ蹴りにつなげるんですもんね。ディフェンスの見切りもいいし。何より、あそこまでパンチの完成度を上げつつ、ボクシング的な動きじゃなくてちゃんとキックの動きの中でのパンチになってるのがスゴイですね。要所要所で相手を突き放す動き手の使い方とか。

 でも、今回一番スゴイなと思ったのはやっぱり佐藤選手。あのブアカーオにKO勝ちですからね。しかも、我慢比べに勝って相手の心を折ってのKO。正直、3Rの途中まではポイントでもダメージでもほとんど差はなかったと思います。お互いにパンチもローももらいながらの打ち合い。その中で、1Rから奥足を蹴ってダメージを蓄積させ、最終Rはタイ人相手にヒザ蹴りまで効かして、最後はパンチ。佐藤選手のファイトスタイルと気持ちの強さが最高の状態で噛み合った完成形みたいな試合でしたね。
 魔裟斗選手との試合、かなり楽しみになってきました。

 あと印象に残ってるのはサワー選手とやったスティーブルマンズ選手ですかね。思った以上に強かったですね。パンチも強いし蹴りも結構うまい。サワー選手のカウンターも直撃ではもらわなかったのは、ディフェンス能力が高いんでしょうね。相手がサワー選手でなければベスト4に残っててもおかしくないと思いました。

 残念だったのは今回から始まった60kg級の試合が、あんまり放送されなかったこと。特に大月選手の試合はもっと見たかったですね。あのスタイルはテレビで放送しても受けると思うんですけど。格闘技知らない人にもわかりやすいし、それでいて高度なことやってるからマニアにも受けるし。イケメン売りの煽りVTRより面白いと思うんですけどね…。
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by masumania | 2008-07-08 00:31 | キック/格闘技  

久々に

 新日本キックの大会を観戦しましたが、なかなかいいものを見せていただきました。
 古巣ということもあって、感情移入できる選手が多いのもあるかもしれませんが、実際いい試合が多かったと思います。

 詳しい結果はこの辺を見ていただければいいと思いますが、個人的には蘇我選手の気合いの入った入場時の顔を見た辺りから、なんだか胸がいっぱいな感じに。
 惜しくもヒジで切られて敗れてしまいましたが、やるかやられるかみたいな試合ぶりは魅力的だと思いました。

 次に登場した菊池選手もローを効かせておいて、相手が焦って出て来たところに完璧なタイミングの右カウンターで一発KO。たぶん、この試合中にまともに右パンチ出したのは初めてに近かったと思いますが、それでKOしちゃうんだからすごいですね。
 しかも、本人はまったく無意識で出したパンチだったようですし。

 セミに登場した石井選手はタイ人の元チャンピオンと激しいパンチの打ち合いを展開。こちらもドンピシャのタイミングでカウンターを当てていたと思うのですが、相手のタイ人がやたらと頑丈で倒れないどころか効いたそぶりも見せずに打ち返して来る。
 途中、石井選手もパンチをもらって効いたような場面もありましたが、完璧なタイミングでカウンターを当てて、まさかあそこから打ち返して来るとは思ってなかったからもらっちゃったんでしょうね。
 かなり意地になって殴り合っていた感じでしたが、こういう気の強さもこの選手の強さの秘密なんだろうなと思いました。相手も結構パンチがありそうな感じだったので、見ていてドキドキしましたが。

 そして、メインの武田選手。入場時からいつも以上に気合いが入っている様子で、会場の盛り上がりもすごい。
 開始から得意のローを当てて、相手のジョン・ウェインは脚を真っ赤にしてました。カウンターの右や左フックも当てて、調子はよさそう。
 でも、相手はパンチの技術の高いジョン・ウェインだし、カウンターのパンチもカウンターというか“相打ち”みたいな打ち方だし、見ていて心臓に悪い試合でした。カウンターは合わせているものの、もらっているパンチの数は武田選手の方が多くて、鼻血とか切れた血で顔は真っ赤だし。
 で、カウンターというか相手と刺し違えるみたいなパンチの相打ちを繰り返しているうちに、武田選手の方が先に効いて来てしまってダウン。でも、2回もダウンを奪われても”来い”と相手を手招きして、同じように相打ちでパンチを出し続ける。
 いや、本当に心臓に悪いです。でもここまでドキドキさせるような試合ができる選手って、ほかにあんまりいないよなぁ、と思いました。結果は3度目も倒されてしまってのKO負けでしたが。

 試合後も、なかなかドキドキが収まらなくて、心を落ち着けるためにわざわざ遠回りして帰ったりしちゃいました。
 で、この試合に進退を賭けていたように見えた武田選手でしたが、引退はしないとのこと。
 こういう試合がまだ見られるのはうれしいような、心配なような微妙な気分です。
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by masumania | 2008-01-22 16:52 | キック/格闘技  

新年ですね

 今年もよろしくお願いいたします。

 一応、喪中のため、年賀状は出せませんでしたが、喪中ハガキが間に合わずに年賀状をいただいてしまった方、失礼いたしました。
 近いうちにご挨拶させていただきます。

 で、もう去年の話になってしまいますが、大晦日の格闘技の話などを。
 私は旧PRIDEスタッフの開催する”やれんのか!”のほうの会場に行っていたのですが、もちろん帰って来てから”Dynamite!!”のほうもビデオで見ました。
 そんな中で、一番印象に残っているのは、やっぱり秋山vs三崎の試合ですね。それも、秋山がKOされたシーンではなくて、三崎からダウンを奪った秋山のワンツーが脳裏に焼き付いています。
 キレといい、伸びといい、当たった後の戻しといい、凄いパンチでしたね。ボクシングの世界は別として、打撃系格闘技の選手でもなかなかあんなワンツーを打てる人は少ないんじゃないかと思います。練習ではともかく、試合のあの場面では。
 それをいとも簡単に出して、しかもピンポイントで当ててしまう秋山はやはり怪物ですね。前回のデニス・カーン戦で見せた右アッパー並かそれ以上のインパクトがありました。
 でも、あの一発を当てたことで、勝てると思っちゃったんですかね。それ以降は、それまでかけ続けていたプレッシャーがだいぶ弱まっている感じでした。だからこそ、最後の三崎の左フックも当たったんだと思います。それまでのパンチよりも、たぶん数cm程度ですが踏み込みが良かったからこそ秋山の顔面を捕えることができたのでしょう。最後の蹴りは…、まあ、よく詰めていたってことだと思います。

 それと、区別がついていない人も多いと思いますが、この試合とヒョードルの試合は、大阪ドームの”Dynamite!!”の会場じゃなくて、さいたまの“やれんのか!”で行われた試合です。一応それが二元中継でテレビ放送もされたのですが、その辺の説明があまりなかったような…。
 あと、試合後に三崎が秋山に説教したシーンもなかなか面白かったんですが、それは放送されなかったんですね。

 その他の試合については…、8日発売の『格闘技通信』で見て下さい…。
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by masumania | 2008-01-04 23:21 | キック/格闘技  

K-1予想

 あんまりお仕事ネタばかりでアレなので、今日のK-1の勝敗予想でもしてみたいと思います。

 ジェロム・レ・バンナvsチェ・ホンマンは、サウスポーにチェンジしてカウンターのヒザ蹴りが出やすくなってるチェ・ホンマン。前回の対戦でも、そんなに差はなかったし、その後の成長具合からすると、ホンマンではないかと。
 セーム・シュルトvsグラウベ・フェイトーザは、申し訳ないけどグラウベが勝つシーンがどうしても想像できません。
 バダ・ハリvsボンヤスキーは、予想が難しいですが、お金をかけるとすればムラの多いバダ・ハリよりもボンヤスキーかな。ボンヤスキーの左フックに対して、バダ・ハリ得意の右ストレートが当たりそうな気もしますが…。
 アーツvs澤屋敷は、まあ順当にアーツですかね。

 準決勝はリーチを活かした戦い方のできるシュルトを止められるとすれば、ホンマンぐらいしかいないと思うので、期待を込めてホンマンに一票。
 もう一方の山はアーツかな。ボンヤスキーはまだ調子が戻ってなさそうだし、バダ・ハリが上がって来たとしても、ムラがあるからトーナメントで勝ち抜くのは難しそう。

 で、決勝は最近調子を上げて来たアーツが勝って4回目の王者…、とかなると面白いんですけどね。
 負けにくいシュルトが3連覇っていうのが固そうですが、それだとつまらないんで…。
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by masumania | 2007-12-08 06:58 | キック/格闘技  

反響も要望も

 特にないのですが、前の記事の続きです。

 なんで同じネタをこんなに引っ張ってるのかというと、この“途中で止めてタイミングをずらす攻撃”が打倒ムエタイのためのキーになる技術のひとつではないかと思っているからです。
 というのは、鈴木秀明選手がローキックでやっていた“途中で止めてタイミングをずらす”動きを、ラジャダムナンのタイトルと獲った武田幸三選手もやっていたからです。こちらはパンチで。

 ラジャのタイトルを獲ったvsチャラームダム戦のフィニッシュとなった右パンチがまさにそれっです。
 テレビなどでも何度も映像が流れているので、気付いている人も多いと思いますが、このパンチが途中で一瞬止まっているんです。そうしてタイミングをずらすことによって、相手が合わせようとしていたカウンターのパンチをスカし、二重のカウンターみたいになってヒットしています。
 この途中で止めてタイミングをずらすパンチ、当然ですが武田選手もわざとやっていました。
 昔、あるインタビューの中で、「パンチを打つ前に頭を少し動かして、タメを作りながら相手の反応のタイミングをずらす」みたいなことを言っていたので、途中で止めるだけじゃなくて、タイミングの外し方にもいくつか種類があったようです。
 まだ武田選手が日本タイトルを獲ったばかりの頃、ガードの低い武田選手のパンチを見て「カウンターを合わせれば一発でしょ」みたいなことを言う人が結構いましたが、実際には誰一人カウンターを合わせることができなかったことを考えると、その頃から独自のタイミングを外したパンチを使っていたんでしょうね。
 最近はボクシング的なタイミングのパンチになっているせいか、カウンターを合わせられることも多くなりましたが…。

 で、また話はずれますが、この“途中で止めてタイミングをずらす”技術って、何も格闘技だけに限ったものではなくて、サッカーなんかでも見られる技術なんですよね。
 ジダン選手のドリブルとか、一瞬止まるというか止まるフリをすることで、相手のディフェンダーが過剰に反応して足を止めてしまい、そこから再加速することで相手を振り切る動きをよく見せていました。このフェイント、相手選手のレベルが高いというか反応が良いほど有効なようです。
 たぶん、「反応を競い合う競技」と言われるムエタイについても、同じことが言えるのではないかと思います。トップレベルで反応が良い選手ほど、攻撃の”起こり”に反応してディフェンスしたりカウンターを合わせたりして来ますから、その攻撃を途中で止めることによってタイミングをずらすという技術が効果を発揮するのだと思います。
 ひとつひとつの技術や反応の鋭さで勝負していたら、選手層が圧倒的に厚いムエタイの頂点に位置する選手たちにはかないませんから、こういう小細工というかズルイ技術を身に付けて、相手を引っ掛けるしかないのかなと。

 来月3日にはK-1 MAXで魔裟斗選手がブアカーオ選手とやりますが、魔裟斗選手がこういう“途中で止めてタイミングをずらす攻撃”を何か身に付けていたりすると、面白いことになりそうなんですけどね。
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by masumania | 2007-09-30 23:00 | キック/格闘技