アタチャイのハイと…

 すみません。長らく更新をさぼってしまいました。
 最近、仕事絡みでまた格闘技の会場に足を運ぶ機会が増えて来ているのですが、先日はM-1に行って来ました。(吉本のやってるやつじゃないですよ)

 で、一番記憶に残ったのは、やはり“天才”と呼ばれるアタチャイ・フェアテックス選手。
 ゆっくり軽く動いてるようにしか見えないのに、相手の鈴木敦選手がバタバタとダウンします。見ていても、何やってるのか、ほとんど意味がわかりません。
 かろうじてわかったのは、蹴りを途中で止めて、タイミングをずらしたり軌道を変化させて蹴っていること。蹴りが遅く見えるのは、たぶんそのせいでしょう。

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 写真は動きの中の一例。体は完全に右側に返っているのに、蹴り足はまだ地面から離れるか離れないかで、かなり遅れて出てくる感じです。これで相手のタイミングをずらしつつ、ガードの位置を見て、蹴る場所を決めるみたいです。1つめのダウンは、この状態から相手がステップバックしてかわしてるのに、軸足でジャンプしてハイキックを入れて奪っていました。神技です。
 このほかにも、蹴り足を上げてから空中で一瞬止めるようなパターンや、途中で軌道を変えるパターンなど、3種類ぐらいの蹴り方を使い分けてるようでした。(気付かなかっただけで、たぶんもっとあると思いますが)

 で、このアタチャイのハイキックを見ていて思い出したのが、かつてムエタイの強豪を次々と撃破し、若き日のアタチャイとも闘っている鈴木秀明さんのローキック。
 この人のローも一見すると遅く見えるのですが、相手がディフェンスのために上げた足がちょうど着地するタイミングでヒットしていて、実はタイミングを絶妙に変えて蹴っていたんです。まあ、初めて見ると遅いローキックにしか見えないんですが、ただの遅いローをムエタイのトップレベルの選手が何発ももらうわけはないですからね。

 しかも、幸運なことに、この日の帰り道、その鈴木秀明さんとお話する機会がありました。
 とりあえず、挨拶などをしつつ、聞きたいのはアタチャイのハイキックと鈴木さんのローキックの話。やっと「あれって同じことをやってたんですよね?」と聞くことができたら、「そうなんですよ〜」とうれしそうに認めてくれました。
 聞けば、モーションを起こして相手にカットの足を上げさせ、その着地の瞬間にヒットさせるローのほかにも3種類ぐらいのタイミングのローキックを使い分けていたらしいです。相手が警戒してカットの足を降ろさなくなったら、そのままパンチを打って、パンチを受けたら必ず足が降りるからそこを狙うローとか。
 鈴木さんは「アタチャイと同じことをしてるのに、向こうは”天才”と呼ばれて、こっちは“ドンくさい”とか“ドタバタしてる”ですからね〜」と笑っていましたが、現役時代は結構悔しかったんだろうなと思いました。
 でも、長年の謎が解けて、うれしい1日でした。

 “途中で止めてタイミングをずらす攻撃”については、まだ書きたいことがあるのですが、長くなりそうなので、また今度にします。
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by masumania | 2007-09-26 23:29 | キック/格闘技  

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