FREERIDE magazine Vol.28

 紹介していなかった媒体その2。『フリーライドマガジン』のVol.28です。
 とは言っても、実は今号では記事は書いていないのですが、電動バイクに関する記事のなかで、このブログのURLが載っているので。

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 で、巻頭のほうでパリダカ優勝ドライバーでもある三橋淳さんが書いているコラムの内容が気になったので、僭越ながら突っ込みというか補足をしたいと思います。
 そのコラムの内容は、乱暴にまとめてしまうと「生活そのものを変えなければ地球温暖化は防げない。ハンバーガーを食べながら、少し量を減らしてもダイエットできないように、家庭の電気使用を少し我慢しても発電所でバンバン電気作ってたら意味はない」「生活を変えるのは、大変だけど化石燃料がなくなってしまえば変えざるを得ないから、化石燃料をどんどん使って枯渇させてしまえばいい」というもの。まあ、2番目のほうは、三橋さん自身の意見ではなく、景山民夫さんがどっかで書いていたことらしいですが。
 1番目の意見についてはまったくその通りで、今のチームマイナス6%とかがやっている、生活の中でちょっと我慢して省エネに努めましょう的なアプローチでは、6%なら減らせるかも知れないけど(現実的にはそれもできていませんが)、25%とか50%の削減は無理です。大量にエネルギーを使っている今の先進国の生活スタイルを抜本的に見直さない限り、温暖化を止めるほどのCO2削減にはなりません。

 で、突っ込みがあるのは2番目の意見のほう。まず、現在、埋蔵が確認されてる化石燃料を使い切るほど燃やしてしまったら、その分のCO2だけで温暖化は回復不可能なぐらい進行してしまうので、解決策には全くなりません。使い切る頃には、地球上は人間は住めないような状況になってしまっているでしょう。
 もう1つは、ちょっと分かりにくい話なのですが、化石燃料(特に石油)を枯渇するまで掘り尽くすのも実はとても難しくて、現在もすでに枯渇はしていないけれど、石油を潤沢に使える時代は終わりに差しかかっているということです。
 コラムの中では、埋蔵が確認されている石油は約60年分と書かれていますが、これは埋蔵確認量を現在の使用量で割ったもので、インドとか中国とかがジャンジャン使うようになったら、とてもそんなに持ちません。そして油田には生産量の「ピーク」があって、それを越えると汲み上げるのがどんどん難しくなり、コストが跳ね上がるという特性があります。
 例えば、アメリカには油田がたくさんあって埋蔵量もまだ残っていますが、現在のアメリカは石油のほとんどを中東や中南米からの輸入に頼っていて、自国ではあまり生産していません。それは、アメリカの油田は1970年初頭にピークを越えていて、自国で生産するより輸入したほうが安いからです。輸送にかかるコストに加え、利権を守るためにイラクで戦争やったりするコストを含めても輸入するほうが安いと判断してるってことは、ピークを越えた油田を汲み上げるのがどれだけコストがかかるのかを示していると思います。
 そして、世界の主要な油田のほとんどは2010年代にはピークを迎えるといわれています。油田のピークというのは、越えてみて初めて「あそこがピークだった」とわかるものらしく、正確な予想は難しいらしいのですが、石油を生産しているオイルメジャーのほとんどが2010年代にピークを迎えると予想しているので、まあそんなに外れることはないでしょう。(実はもう迎えているという説もあります)

 これが「オイルピーク」とか「ピークオイル」とか呼ばれているものです。このピークを越えてしまうと、現在のようにジャンジャン石油を使うことはできなくなります。ガソリン価格なんかも現在の2倍、3倍では済まないのではないかと思います。
 そうなると、潤沢な石油エネルギーに支えられてた先進国の大量生産大量消費みたいな生活スタイルは成り立たなくなります。石油が「枯渇」するのは、まだ先かも知れませんが、私たちが生活スタイルを抜本的に見直さなければならない時期は、結構目の前に迫っているのかもしれないのです。(迫っていると言い切れないところが、よけいにコワいのですが)
 その状況で「じゃんじゃん使う」と開き直るのか? 石油に代わるエネルギーを探すのか? それともエネルギーをあまり使わない生活スタイルにシフトするのか? 
 例えるならば、氷山が目前に迫ったタイタニック号の上で「世界最高の客船だから大丈夫」とパーティーを続けるのか? 救命ボートの準備をするのか? 氷山を避けるために舵を切るのか? という選択と似ていると思います。まあ、現実的なのは2番目と3番目を組み合わせることですよね。
 自然エネルギーなどの代替エネルギーの開発を進めながら、それでも今と同じようにエネルギーを使うことはできないでしょうから、生活スタイルも見直す方向に舵を切るべきでしょう。タイタニック号と同じで、一定方向に進んでいる社会を変えるのは慣性もかかっていて時間がかかりますから、舵を切るのは早い方がいいでしょう。
 まあ、本当に石油がピークを迎えていて、今後コストが跳ね上がるとしたら、相対的に今は高いといわれている太陽光や風力などのコストは下がりますから、その普及は一気に進むかもしれません。自動車やバイクなどの乗り物としては、太陽光や風力でも生み出せる電気で動くようにしておくことが求められるのだと思います。
 できるだけ短くまとめるつもりが、長くなってしまいました。最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
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by masumania | 2010-06-15 05:31 | 仕事  

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