格闘技通信休刊

c0013594_0293366.jpg それなりに仕事をさせてもらっていましたベースボール・マガジン社の『格闘技通信』が今店頭に並んでいる号で休刊になります。関わっている媒体が休刊になるのは初めてではないどころか、両手の指でも足りないぐらい見て来ましたが、中学生の頃から読者だった雑誌がなくなるのは、さすがにちょっと感慨深いものがあります。
 ひと頃のような格闘技ブームも終わり(魔裟斗の引退がそれに拍車をかけることも確実で)、出版不況と世間の不況が重なり、ネット媒体の登場で試合結果を知りたくて雑誌を買うという時代でもなくなるなど、いろいろと背景はありますが、名前も含めて格闘技雑誌の代名詞的存在だっただけに、なくなる影響は大きいと思います。
 とはいえ、この雑誌を買い始めた頃の自分が、今の状況でやはり買うかと言われたら、たぶん買わないだろうと思うので、やはり時代の流れなんでしょうかね。

 でも、正直なところ、もう少しやりようがあったのではないかという気もします。
 最後の頃の誌面は、試合前後の選手のインタビューばかりで、格闘技ファンであっても好きな選手が大きく載っていたりしない限り、買いたいと思いにくいような作りだったように思います。編集的な工夫があまり見えないというか…。
 じゃあ、どうすれば良かったのかと言われると難しいのですが、個人的には、もう少し試合の内容というか、技術や戦略について深く追った記事が必要だったのではないかと思います。いくらネットの速報性が高いからといって、サッカー雑誌やボクシング雑誌がなくならないのは、そういう部分まで踏み込んだ記事が読めるからではないかと。
 前から何度も書いてますが、ある競技がブームではなく、きちんと根付くためには見る側がある程度、技術や戦術について知識を持つようにならないとダメなのだと思います。選手のキャラクターとか、人間関係のドラマとかに頼ってるうちはブームにしかならないと。
 サッカーも、Jリーグが始まった頃とかは選手のキャラクターとかドラマ的な取り上げられ方ばかりで、ただのブームだったのだと思います。実際、数年後には「Jリーグってまだやってたの?」っていう声を聞いたぐらいですから。
 それが競技として人気が定着したのは、たぶん「ゾーンプレス」なんて言葉(懐かしい!)を聞くようになった頃からだと思います。今では「中盤の厚みが……」みたいな話を普通にみんなしてますしね。
 そういう技術的、戦略的なものを“見る目”を育てる努力を、専門誌はしなければいけなかったのではないかと思います。せっかく選手当人にそういう話を聞く機会があって、写真などで展開できる誌面もあったわけですから。
 リング上で何が起きているのか? 選手はお互いに何をしようとしているのか? を知りたい人って結構いるはずだと思いますし、それがわかるとより観戦を楽しめるようになるし、選手に対する尊敬の念も強くなってくるはずだと思うんですけどね。
 そういうことができるはずの媒体が、なくなってしまうことは残念でなりません。難しいことは重々わかっていますが、復刊を祈っております。
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by masumania | 2010-03-02 23:23 | 仕事  

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